1月31日
国際競争力調査委員会において、ICT(情報通信技術)と人材育成について議論しました。ICTは日本の科学技術立国の中核をなす分野で、科学技術基本計画でも、ライフサイエンス、ナノテクノロジー、環境技術とともに4重点分野の1つに掲げられています。私は、遠隔手術支援技術や通信暗号技術等の領域で、ICTの研究・開発に従事してきました。何といっても、今後の日本のICTの推進には、基礎的理論と技術を着実に学んだ人材をいかに確保するかが最大の問題です。国内の教育体制を充実させることはもちろん、海外から優秀な技術者や留学生を受け入れる体制作りも必要です。米国は革新的技術の創造力では群を抜いていますが、日本・中国・インド等の諸外国からの優秀な技術者が多大な貢献をしているのです。今後も研究現場との情報交換を欠かさず、必要な対策を提言していきたいと思います。
午後には年金行政改革議員連盟の会議があり、未統合年金記録問題の徹底解明に向けて、専門的作業部会を構成することになりました。私は、現在のところ統合の見込みのついていない1950万件余りの年金記録の調査委員に指名されました。巨大な未統合年金記録問題の中でも最も困難な課題ですが、だからこそ皆が私に期待していただいたのだと思い、全力で取り組みたいと思います。
夜は、商工会関係の有志による「輝くさいたま市を創る激励新年会」が北浦和で開かれ、ご挨拶しました。その後は浦和で開かれたJU埼玉の新年会にうかがいました。
1月30日
環境部会の自然環境保護小委員会で生物多様性国家戦略に関する討議が行われました。知床半島の世界遺産登録によって知られるように、日本の自然には世界に誇る生物多様性があり、その保全と持続可能な利用のための方策が重要です。
生物多様性には、【1】酸素供給や豊かな土壌形成などによりすべての生命の存続基盤となり、【2】食べ物、木材、医薬品、品種改良、未解明の遺伝情報などの将来を含む有用な価値があり、【3】地域色豊かな文化や風土、全てのいのちを慈しむ自然観などの豊かな文化の根源となるとともに、【4】災害の軽減、食の安全確保などにより暮らしの安全性を支える等、多面において重要な意義をもっています。しかし、開発や乱獲による種の減少・絶滅、生息・生育地の減少(第1の危機)、里地里山などの手入れ不足による自然の質の変化(第2の危機)、外来種などの持ち込みによる生態系の攪乱(第3の危機)などの諸課題に直面するとともに、地球温暖化という大きな脅威が加わり、多くの種の絶滅や生態系の崩壊の危機を迎えています。
国家戦略では、100年先を見据えた長期的視点に立ったグランドデザイン、地方・民間などの多様な主体の参画の観点から、〔1〕生物多様性を社会に浸透させる、〔2〕地域における人と自然の関係を再構築する、〔3〕森・里・川・海のつながりを確保する、〔4〕地球規模の視点を持って行動する、といった4つの基本戦略を掲げており、現在、数値目標を掲げた行動計画の具体的内容について検討を進めています。
環境行政における数値目標の設定に関しては、埼玉県では前回の環境基本計画から先進的に採用しており、私は環境審議委員として4年間にわたり問題点を検討してきました。平成19年4月からの今回の環境基本計画に関しましては、委員長として策定作業に加わりましたが、そこでも一番の問題が数値目標の設定でした。省庁としては、自ら管理可能な施策の実行数を目標としたいところですが、本来、それらは手段にすぎません。本当の意味で目標にすべきなのは、それらの結果としての環境に関する諸指標の改善状況です。また、省庁としては未達成の場合の責任追及を慮って、容易に達成可能な数値を目標としたがる傾向があります。このよう環境行政に関する実質的問題について知識と経験のある国会議員は極少数です。今後も環境先進県である埼玉県の代表として頑張っていきたいと思います。
1月28日
財務省に勤務している母校開成高校のOBの同窓会である財務省開成会に招かれ、旧交を温め合いました。政治家と官僚として日頃は政策議論を戦わせていますが、昔話になると、あっという間に気心知れた間柄に戻ります。日本銀行総裁の一番の候補である武藤敏郎副総裁も出席し、現在の金融政策の課題についても議論になりました。大変に楽しく、勉強になる夜でした。
1月27日
快晴のすがすがしい朝です。上尾市長選挙の公示日となりました。島村穰候補の応援にうかがいました。島村候補は、行政マンとして、また、議員として、長い間の市政において多くの実績を上げられてきました。是非、頑張っていただきたいと思います。
その後、越谷で江原チエ子市会議員の後援会の新年会にうかがい、ご挨拶しました。江原議員の熱意と行動力には、いつも敬服しております。今後も地域の介護や福祉について、国と地方の立場から密に連携して対策を練っていきたいと思います。
午後はまず、三郷で逢澤義朗県議会議員の早稲田地区報告会にうかがい、ご挨拶しました。
その後、埼玉県医学会総会において、「医療崩壊と政治」というタイトルで、北海道大学法学部の山口二郎教授とともに講演しました。山口先生は、社会保障の危機を生んだ新自由主義的な近年の構造改革を批判する立場から、日本における健全な社会民主主義の確立を論じられています。私も、医療従事者として社会保障への手厚い投資を望んでいますが、新自由主義の理論自体については一定の評価をしています。実証的研究によれば、従来の理論に依拠した政府の財政政策は、想定された効果を上げていません。現在の日本の莫大な財政赤字を生み出したのもバブル崩壊後に繰り返された財政支出ですが、経済の復興にはつながりませんでした。現代の新しい理論枠組みでは、消費者の合理的期待やグローバル化した流通実態を考慮し、市場機能を十分に役立てていくことが合理的と考えられています。格差などの多様な問題は生じたにしても、基本的には、構造改革の推進によってこそ日本経済が復興の方向へ向かったことは事実です。
問題は、市場機能の中では解決困難な公共財の問題、特に社会保障をどうするかです。十分な社会保障は健全な経済成長のための基盤であり、必要な財源の確保が不可欠と考えています。政治が保険料率や消費税率の議論から逃げずに説明責任を尽くしていくことこそ、真の課題ではないかと思います。
学会終了後、東松山での森田光一県議会議員の県政報告会にうかがい、ご挨拶しました。多くの地域の皆様方から、暖かなご支援の言葉をかけていただきました。
1月26日
川口トラック組合の新年会にお招きいただき、ご挨拶しました。ガソリン価格の高騰により、業界の皆様方に大変なご苦労をいただいております。現在、先進国が結束して価格安定のための方策を検討していますが、道路特定財源の問題を含め、多様な立場の方々と広く議論する場が必要であると思っています。ただ、単なる一時凌ぎの対策で終わらせるべきではありません。複雑さを増す世界情勢の下でエネルギー資源の価格動向が不透明になる中、同様の危機が頻繁に繰り返す可能性があります。資源に恵まれない我国としては、これを契機に、確固たる中長期的なエネルギー政策を打ち立てる必要があります。
夜は、久喜で埼玉県接骨師会埼葛支部の新年会にうかがい、ご挨拶しました。
1月25日
中川秀直前幹事長を会長とする未統合年金記録の社会保険庁における突合・名寄せ・統合作業を監視するための専門的な議員連盟が発足し、私も主要メンバーの一人に指名されました。少数精鋭の発信力と機動性の強い議員連盟で、昨日の第1回目の会合で「年金特別便」の問題点を洗い出して、直ぐに本日の昼に舛添厚生労働大臣に直接に申し入れる機会を持ち、大臣がその場からの指示で、年金特別便を出し直すことが決まりました。今後も年金問題の一刻も早い解決に向け、鋭意、頑張ってまいります。
午後は草加での「草加市夢を語る会」、その後浦和での埼玉県栄養士会の新年会にうかがい、ご挨拶しました。
1月24日
浦和で埼玉県医師会の27郡市医師会の代表者の会議でご挨拶と国政報告を行った後、大宮で埼玉県石油5団体の皆様の新年会に出席しました。原油価格高騰の中、皆様から厳しいご意見もいただきましたが、長期的なエネルギー政策の観点からのご協力もお願いしました。環境対策が大きな国際課題となる今後は、低炭素エネルギーへの代替の検討を進めることが重要です。
その後、川口工業団地協同組合の新年会、再び大宮に戻ってさいたま市青年会議所の新年会、さらに川越での入間地区医師会の新年会へと渡り歩きました。
1月23日
本日も代表質問が続けられました。
夕方から、日本製薬工業会主催の知的財産フォーラムのレセプションに出席し、医薬品企業の知的財産の専門家と意見交換しました。医療に関する知的財産権は、私の法律家としての専門の一つであり、過去には政府の産業構造審議会の委員も務めていました。ヒトiPS細胞作成の成功など、「知的財産立国」の中核としてライフサイエンス分野への期待が高まる中、知的財産権制度は国家戦略と位置づけて対策を講じていく必要があります。今後も、研究開発現場の皆様と密な意見交換を行い、日本の科学技術と産業競争力の発展のために頑張っていきたいと思います。
1月22日
参議院で代表質問が行われました。質問に立った自民党の尾辻秀久の質問では、経済財政諮問会議における社会保障費の削減方針について疑義が投げかけられ、国会の同意を経ずに選任されている経済財政諮問会議の民間議員からの「国会を無視すればいいという発言を耳にしたこともあります。」として、議院内閣制の下でのその運営方針を質しました。これには、与野党が一致して議場全体から割れるような拍手が起こり、多くの議院の不満が表明されました。
日本の社会保障費は先進諸国の中で最低レベルにあります。それでも、国家財政が極めて逼迫する中で、世界一の超高齢化社会を迎えるため、財政支出は出来る限り抑えなければなりません。ただ、充実した社会保障は安定した経済成長のための不可欠の基盤です。国民に将来の生活に対する不安が募る中、むしろ、消費税の見直しなど、必要な社会保障費の財源確保策の検討を進めるべきではないでしょうか。私も、機会ある毎に、政府にこの点を問うていきたいと思います。
1月21日
自民党埼玉県支部連合会主催の講演会があり、埼玉県の教育委員で教育評論家の松居和氏の講演を聴きました。氏の主張は独特で、例えば、「福祉の進行は基本的家族形態を崩壊させる。たとえば、親のニーズに応えて預かり保育などがもっと進めば、親が親ではなくなってしまう。どれだけ親心が育つかが、人間社会には大切だ。」といった趣旨で、現行政策の方向性に対する強力なアンチ・テーゼです。その内容には反論したい点も多くありましたが、大変話し上手な方で、講演自体は素晴らしいものでした。
その後、埼玉県トラック協会及びタクシー協会の新年会に出席しました。ガソリン価格の高騰で業界の皆様は大変なご苦労をされていることと思いますが、地域経済の基盤を支えるために道路特定財源は不可欠の財源であり、地方自治体の大多数から死活問題として、その維持のための要望を出しています。現在、石油価格の長期的安定のために先進諸国が一致して取り組んでいるところであり、何とかご理解いただきたいと思っています。
その後、埼玉県自民党の県議会議員と国会議員の懇談会がありました。久しぶりの全議員の集合で、昨年の県議会選挙・参議院選挙における厳しい結果について率直に意見交換が行われ、党立て直しのための対策が真剣に話し合われました。