9月2日
埼玉県防災ヘリコプター墜落事故による殉職者合同葬に参列しました。
本年7月25日、秩父市大滝地区内において遭難者の救助にあたった県の防災ヘリコプター「あらかわ1」が、墜落するという事故が発生し、5名の方がお亡くなりになりました。自らの危険を顧みずに、人命救助に全力を尽くされた崇高な精神に、心からご冥福をお祈り申し上げました。事故の検証と再発防止策の実施を徹底し、今後同じような事故が二度と起こらないよう、私も埼玉県選出の国会議員として全力を尽くしてまいります。
9月1日
弁護士会館で開かれた「司法修習生の給費制維持を求める市民参加の集会」に出席しました。
修習専念義務(兼業禁止)を課される司法修習生は、現在まで、国家からの給費を受けて生活していました。しかし、司法制度改革の中で、2010年10月以降は、給費制を貸与性に変更し、法曹となった後に返済義務を課すことになりました。ところが、司法制度改革を進める中で、法曹養成に多様な問題が生じています。
司法制度改革により、法曹養成は、3年間の法科大学院での課程を経て、司法試験を受験する制度に変わりました。法曹資格を得るためには、司法試験に合格した後、さらに1年間の司法修習を行う義務があります。法科大学院の3年間だけでも、学費や生活費の用意は大変です。その上、司法修習の間も借金を重ねなければならないとすると、多くが500万円以上、中には1300万円もの借金を抱えなければならない人もいます。これでは、金持ちだけしか法曹を目指せなくなってしまいます。
本来、多様な背景を持った人達が法曹となって、多様な分野で活躍する社会を創るのが司法制度改革の原点でした。私は、医師をやりながら弁護士になりましたが、それも給費制があったからこそ、やろうと思ったのです。家庭を抱えていて、借金を重ねなければならないことになれば、他の分野で働いている人が法曹を目指すのは著しく困難になります。
そもそも、給費制から貸与制への移行は、法曹となった後の収入で、十分に返済できるということが前提でした。ところが、司法制度改革の結果、弁護士の過剰が起こり、現在、弁護士となっても就職出来ない人が多数出ています。もちろん、地方によっては弁護士が足りなくて困っている所もあります。でも、新人弁護士がいきなり地方へ行って開業しても、住民の多様な相談に応えることは決して出来ません。医師同様、一人前の弁護士になるには、先輩弁護士からの指導を受けながらの実務訓練が最低でも数年は必要です。都市で就職出来ず、経済的事情から、やむを得ず地方で開業する例も出てきていますが、それでは弁護士の経験不足により、地方の住民の権利が蔑ろにされてしまいます。ほとんど験の無い医師が診療所を開設するようなものです。医師の場合は患者さんの命に関わる問題ですが、弁護士の場合も、気が付いたら、取り返しのつかないことになっていたという事例が容易に想定出来ます。
そうでなくても、司法制度改革で司法試験の合格者数を増やした結果、新人弁護士の質が著しく落ちていることが、司法試験や司法修習の修了試験で明らかになっているのです。その結果、司法試験の合格率は低下し、ほとんど合格者を出せない法科大学院も少なからずあります。直ちに司法制度改革全般を見直すことが必要です。司法修習生の給費制の問題も、司法制度改革全体の見直しの中で議論すべきです。まずは、10月末の期限を1年間延長し、その間に司法制度改革の見直しに関する超党派の議論を行うべきであると考えます。