3月18日
広島で開催された第9回日本再生医療学会の総会で、「再生医療の実用化のための法規制の課題と研究者への期待」というテーマで特別講演を行いました。今回の学会の特別講演は、世界初のiPS細胞作製者である京都大学の山中伸弥教授と二人です。再生医療は期待の大きい分野ですが、新しい概念に基づく技術であるために、従来の法的枠組みが上手く当てはまりません。私自身、法律家である一方、研究者として神経幹細胞の活性化による神経損傷治療という一つの再生医療のプロジェクトに加わってきたため、法規制の問題点は熟知しています。再生医療の研究開発を阻害せずに、如何にその有効性、安全性、品質を確保していくかが法制度の課題です。この点について、あるべき方向性とともに、私案を提示しました。講演後に、多くの研究者や報道関係者から賛同の言葉をもらいました。
3月17日
本会議が開かれ、「平成22年度における子ども手当の支給に関する法律案」の趣旨説明と質疑が行われました。
民主党の看板政策ともいえる子ども手当法案ですが、非常に多くの問題点があります。まず、①外国人が日本国内に住んでいれば、母国に残している子どもにも支給されるのに対し、日本人の海外駐在員の子どもは、日本に住んでいても支給されません。また、②日本に住む外国人が、海外に住む子どもを監護していることをどのように証明するのかが不明で、外国人の不正受給の温床になるおそれがあります。また、③民主党のマニフェストによれば、満額(月額2万6000円)の子ども手当の支給には、約5.5兆円が必要であるとされていますが、半額支給の今年度でさえ、他の目的のために積み立てられた国の資金による捻出を行い、それでも財源が不足するため、地方や事業主にも負担を求める事態となりました。来年度以降、どのように財源を確保するのか不明です。さらに、④所得制限を設けていないため、格差が一層広がります。実際に、来年度子供手当てを支給される家庭では、所得1000万円以上が最も有利で、所得300万円が最も不利になると計算されます。その他、将来の不安から、給付金のかなりの割合が貯蓄に回ってしまうことや、親の遊興費に使用されてします虞など、枚挙に暇がありません。
来年度、子ども手当に投入される金額は、半額支給でありながら1兆4722億円にのぼります。これだけの金額を多額の国債を発行してまで広く浅くばらまく必要があるのでしょうか。限りある財源の中では、本当に必要な家庭だけに児童手当として給付し、その他は保育所の増設や保育サービスの充実などに集中的に投資し、男女がともに子育てをしながら働くことのできる環境整備を進めることこそ多くの国民が望んでいる子育て支援策だと思います。来月には、事業仕分けの第2弾が行われるようですが、政府は、子ども手当こそムダな事業として仕分けをすべきです。
夜は、広島へ飛び、明日から開催される第9回日本再生医療学会の会長招宴に主席し、再生医療で活躍する日本トップの研究者たちと懇談しました。
3月16日
理事務める内閣委員会で質問に立ちました。
先日の予算委員会に続き、政府の「新成長戦略」について質問しました。この20年、わが国が投資の額に比べて十分な経済成長を達成できなかった理由について、菅大臣は、政治的なリーダーシップの欠如をあげました。
しかし、低成長の本当の原因は、成長戦略が、ただ網羅的に事がらと数字を並べているだけで、優先順位や達成手順などを欠いたいいかげんな戦略だったことによることが大きいと思います。この反省点から、科学的な視点から達成手順などを明記した細かい工程表を作成し、財源などの数値も入れた上で実行していくことの重要性を主張しました。財源の裏打ちのない成長戦略は、説得力と実行性に欠け、結局は成長の実現にはつながっていきません。鳩山政権の「新成長戦略」は、財源の明示もなく、試算のために使用した数字も自民党政権下のいわば借り物の数値を用いており、およそ「新」成長戦略とはいえません。厳しい財政状況の中でも、「選択と集中」によって伸びる新技術に重点的に投資を行い、新たな産業を興して雇用を創り税収を上げることによって、財政再建と経済成長の両者を進めていくことこそ政治の責任です。わが国の将来を決定的に左右する経済成長について、政府の認識が全く甘く軽薄であることを強く指摘し、政府に反省を求めました。
3月14日
日本柔道整復師会の関東学会埼玉大会において、「柔道整復術への期待」というテーマで講演を行いました。朝にもかかわらず、ソニックシティの大ホールに1000人近くの聴衆が集まり、熱心に聞いていました。
その後、島田かつみ越谷市議会議員の後援会の会合に招かれ、挨拶しました。
夕方には、自然農法や自然食品の普及促進に力を入れているMOAの「自然農法・食育フェアin埼玉」に出席し、挨拶をしました。
3月13日
自由民主党飯能支部の総会に出席し、挨拶をしました。
その後、明日行われる「第32回(社)日本柔道整復師会 関東学会埼玉大会」の夕食会に出席し、挨拶しました。
3月12日
成長戦略特命委員会において、「介護福祉ロボット開発の観点から」というテーマで羅志偉 神戸大学教授 と意見交換をしました。
3月11日
自民党の政務調査会に安心社会研究会が設置され、メンバーに加わりました。本日は、福田内閣時に社会保障国民会議の座長を務めた吉川洋東京大学教授と意見交換をしました。
GDPに関する公債残高の比率が200%に迫ろうとしている日本の財政事情の下では、早期に基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化が必要です。高齢化が進む現状では、経済成長だけに頼った財政再建は困難ですが、歳出の削減も容易ではありません。既に90年代後半以降、財政赤字の主体は、公共事業費から社会保障関係費へと移っており、今後は一層の歳出増が見込まれています。少子高齢化の下で社会保障制度を維持・充実させるためには、やはり、消費税を上げる必要があります。その点について国民の皆様の理解を得るためには、複雑で難解な社会保障制度を分かりやすくするとともに、社会保障制度の将来図を明確に示すことが不可欠といえます。
民主党はかねてから政権交代後4年間は消費税を上げないと明言してきました。しかし、それでは、安定した社会保障制度の将来を計画することは全く不可能です。財政問題と社会保障の問題は表裏一体です。もはや、確実な財源の手当て無く社会保障を論じても無意味だというべきべきです。何ら明確なビジョンを示さず、財政面を度外視した与党・民主党の政策はあまりにも無責任です。今後、厳しく追及していこうと思います。
3月10日
本会議において、過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律案の採決が行われ、全会一致で可決・成立しました。地方の振興は、喫緊の国政上の課題です。今回の法改正により、これまでハコモノの建設に限定されていた過疎債の発行が、地域医療の確保や住民の移動のための交通手段の確保など、サービス(ソフト)の面にも拡大され、集落の維持や活性化のための財政的なサポートの範囲が拡充されることとなりました。
3月9日
理事を務める内閣委員会が行われ、各国務大臣から、所信と予算に関する説明を聞きました。内閣委員会の所管は広く、経済財政政策や科学技術政策、食品安全など様々なテーマを扱います。特に、政府・民主党の経済財政政策については、財政規律や成長戦略の観点から問題点が極めて多く、これから始まる委員会質問で徹底的に追求してまいります。
夜は、東京で初めての国政報告会を行いました。
季節外れの雪が降る中、300人を超える方々に全国各地からお集まり頂きました。
3月8日
予算委員会で質問に立ちました(この質問の様子は、参議院のホームページでご覧頂けます。http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php)。
平成22年度予算は、税収37兆円に対して国債発行額は44兆円と大きく上回り、終戦直後の1926年以来、64年ぶりに国債発行額が税収を上回ることになりました。来年度の財政状況は終戦直後の苦難の時代に匹敵するほど深刻です。しかし、財務省の試算によれば、このような異常な状況は、来年度だけの話だけではなく、現在の政権が続くとすれば、少なくとも平成25年度までの今後4年間は続き、しかも、国債発行額が税収を上回る額は、毎年一層大きくなっていきます。既に2010年3月の時点で、国と地方を併せた借金(財投国債を含む)は、GDPの2倍を超えており、今後、更に財政が悪化していけば、近い将来、過去のアルゼンチンやアイスランドの事例のように、財政破綻を起こすことが明白になってきています。
このような状況の下で、政府が財政規律についてどう考えているかを菅直人財務大臣に質問しました。しかし、菅大臣は、ひたすら曖昧に、税制の見直しやいわゆる埋蔵金(実際は、他の目的のために積み立てられた国民の資産)の取り崩し、無駄削減などで国債発行額を抑えていくと答弁するだけで、その具体的な内訳は、何一つ示すことが出来ませんでした。
既に民主党は、今後4年間の消費税据え置きを公約しており、仮に税制を見直すならば、所得税や法人税を引き上げることになります。果たして、国民の皆様に、政府からそのような提案がなされたことがあったでしょうか?仮にいわゆる埋蔵金を用いるとして、一体、どの積立金をどれだけ取り崩すのでしょうか?積立金は一度取り崩してしまえば、次年度からは、もう用いることは出来ません。今後4年間、毎年毎年の赤字の穴埋めのために期待できるような財源ではないのです。
無駄削減について言えば、民主党はマニュフェストで、16.8兆円もの財源を税に頼ることなく捻出すると公約しましたが、先日の事業仕分けによって削減されたのは、その25分の1程度の7000億円にすぎません。その上、今後の削減の目途も全くついていないのです。長妻昭厚生労働大臣に、かつて長妻大臣がテレビ番組で20兆円のムダが政府にはあり、削減できると述べたことに対して、発言通り20兆円を削減するのかを質問したところ、長妻大臣は明確な答弁を避けることに終始しました。以上のように、新政権は、その財政運営の実態について、無責任な態度に終始しているのです。
次に、民主党がマニュフェストで公約していたガソリンの暫定税率の廃止を行わず、税率を維持した件について、平野達男官房長官・菅大臣・枝野幸男大臣に質問しました。鳩山総理は、国民の世論調査において暫定税率維持の意見が多かったから、マニュフェストの公約を変更したと答弁していますが、それなら、世論では圧倒的多数が子供手当てには所得制限を設けるべきだと考えているのに、政府がマニュフェスト通り、所得にかかわらず子供手当てを給付するのは何故か、大いに疑問です。平野官房長官は、何ら明確な説明は出来ませんでした。政府の基本姿勢として、マニフェストの公約を優先するのか、それとも世論を優先するのかが、場当たり的で、全く一貫していません。結局、選挙対策として有利なものは、マニュフェストなり、世論なり、理由をこじつけて行おうという方針で、党略そのものなのです。
その後、政府が昨年12月に公表した「新成長戦略」について質問を行いました。菅大臣は、政治主導で成長戦略の方向性を変えると言いながら、その中身は、自民党政権下で作ってきたものを、そのまま用いています。菅大臣に、挙がっている数字の根拠を質問すると、何も答えられませんでした。結局、表面だけ政治主導を繕っても、内容は全て官僚依存になっているのです。
この他、診療報酬の問題、インフルエンザワクチンの在庫問題について長妻大臣に質問しましたが、一般的な説明の繰り返しに終始し、社会保障に対する専門的な理解や明確なビジョンが感じられませんでした。
最後に、司法試験の合格者数の問題について、今後の見通しを千葉景子法務大臣に質問しました。
。
夕方から、「ふるさと対話集会」で越智隆雄前衆議院議員の地元である東京都世田谷区に中川秀直先生と伺いました。10代・20代の若者からは、現状への不満・将来への不安とともに、政治への距離をいかに縮めるかとなどの意見を頂きました。その後、場所を居酒屋に移して行われた第2部では、仕事を終えたビジネスパーソンの方々のなまごえを聞きました。経済成長をいかに図っていくかなど、こちらでも様々な意見を伺うことができました。
(詳しくは、自民党のホームページでご覧頂けます。http://www.ldplab.jp/ldplab/furusato/)