現在、自民党の司法制度調査会においては、経済活動を支える民事・刑事の基本法制に関する小委員会を設け、裁判所以外の紛争処理手続(準司法手続)のあり方を検討しています。古川俊治も、弁護士として、この問題には強く関心を持って議論に加わっています。
紛争処理機関には、(1)公害等調整委員会や中央労働委員会のように、当事者間の紛争を処理するもの、(2)金融庁や公正取引委員会のように、違法行為を監視・是正するもの、
(3)国税不服審判所や電波監理審議会のように、行政庁の処分等に対して申し立てられた不服を審査するもの、といった類型があります。
準司法制度は専門的な知識を有する行政庁が簡易迅速に紛争等を処理するという長所がありますが、多種多様なものが混在していて判り難い、各種紛争処理手続の一般的規定がない、裁判を受ける権利(憲法第32条)との関係、判断者の公平性・中立性・専門性、国民の利便性などの点で問題があるため、自民党として今年の3月に小委員会とりまとめとしてこれらの問題点を指摘し、各準司法手続に関して、廃止を含む抜本的な対策を要請する等、種々の指摘を行ったところです。
このとりまとめを関係省庁にて検討し、その成果としての対応策が先ごろ提出されました。法曹人材を採用するといった取組みが一部でなされていますが、準司法機関の廃止を含む抜本的な解決策は提示されませんでした。このため、自民党では、上記3類型に対応した分科会を開き、現状を確認し、対策を検討することとなりました。
まず、それぞれの準司法機関が本当に必要か、といった根本的なところからその存廃を考えるべきであると思います。そして、必要であると判断される場合には、国民が信頼して利用することのでき、国際化時代にもふさわしい準司法手続はどうあるべきかを、それぞれの準司法機関の取り扱う事案に即して検討していく必要があると思います。
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2007.10.25