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健康科学コラム

No.3:生活習慣とがんの関係

今回のテーマは、生活習慣とがんの関係です。近年、世界中で数多くの研究が行われてきましたが、現在、それらの研究で得られた科学的知見を統合する作業が進められています。2007年に世界がん基金と米国がん学会は、各種のがんの危険性を上げる生活習慣や下げる生活習慣について、図に示すような評価を発表しています。

生活習慣とがんの危険性(世界がん基金/米国がん学会, 2007)

禁煙と肥満は、各種がんの危険性を大きく高めるほか、心臓疾患と糖尿病に関しても最大の危険因子です。運動は、肥満を予防する上、大腸がんや乳がんの危険性を下げます。野菜や果物の摂取は各種がんの危険性を下げますが、肉類や塩分の摂り過ぎは、大腸がんや胃がんの危険性を上げます。

煙草を控え、飲酒の節度を保ち、薄味でバランスよく食べ、食べ過ぎず、運動に励みましょう。


    【現状において日本人に推奨できるがん予防法(国立がんセンターがん情報サービスを改変)】

  • たばこは吸わない。他人のたばこをできるだけ避ける。
  • 適度な飲酒。飲まない人、飲めない人は無理に飲まない。
  • 食事は偏らずバランス良く。塩蔵食品・食塩は最小限に。野菜や果物を多くとる。例えば、野菜は毎食、果物は毎日食べ、1日400グラム以上とる。熱い飲食物、保存・加工肉は控えめにする。
  • 定期的な運動をする。たとえば、ほぼ毎日1時間の歩行、週1日は汗をかく運動。
  • 肥り過ぎない。痩せ過ぎない。
  • 肝炎ウイルスへの感染の有無を知り、感染している場合は治療を行う。